データソリューション事業

脳梗塞の因子を解明し、認知症を予防するための研究

2018.12.28

東京女子医大と共同で、脳梗塞につながる因子を特定する研究に取り組んでいます。脳梗塞の因子を特定することで予防が可能になり、その結果、脳梗塞が引き起こす認知症のリスクを減らすことを目指します。この取り組みはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業に採択されました。

2025年、5人に1人が認知症に

高齢化に伴い、認知症患者は右肩上がりに増加しています。2012年の認知症の高齢者数は462万人で、65歳以上の約7人に1人の割合でした。これが2025年には5人に1人になるという推計もあります*1。認知症になると、本人だけでなく家族の負担も大きくなり、介護離職を余儀なくされるケースも少なくありません。ある推計では、医療や家族が実施するケアなど、認知症の社会的コストは2025年に約19兆4500億円に達するとも試算されています*2。

認知症の一部は予防も可能

 社会問題として意識されている認知症ですが、1度認知症になると根治することができません。加えて7割弱を占めるアルツハイマー型は予防することができないことが知られています。一方、認知症のうち2割を占め、脳の血管が詰まることによって発症する脳血管性認知症は早期に発見すれば予防することができます。

 脳血管性認知症を予防するためには、そもそも脳梗塞になるのを避けることが一番有効な手段となります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病、また食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が脳梗塞の発症に影響することは知られています。ただし、患者一人ひとりの健康状態に合わせて、どんな要因が脳梗塞の発症に大きく影響し、いつ発症するのか詳しくわからず、治療や予防をすることができませんでした。

 そこで、この研究では小さな脳梗塞を起こした約1500人の患者について、過去に受診した人間ドックの結果をAIで解析し、脳梗塞の要因を探ります。NEDOの研究では、2019年度末を目処に、アルゴリズムの開発を進めます。

 脳梗塞になる因子がわかれば、具合が悪くなって病院に通う前の段階で、人間ドックや健康診断の結果を医師が参照し、正しく受診するよう患者に促すなど、予防が可能になると考えられます。

*1 出所:平成29年版高齢社会白書
*2 出所:我が国における認知症の経済的影響に関する研究(平成27年)