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2020.7.20臨床開発デジタルソリューション事業
対面と遠隔の診療を組み合わせたハイブリット型バーチャル臨床研究開始へ〜国内でのオンライン診療やウェアラブルを活用した研究方法の実用化を促進〜
株式会社MICIN(マイシン、本社:東京都千代田区、代表取締役:原聖吾、以下MICIN)、医療法人社団 知正会 東京センタークリニック(東京都中央区、院長 山田 正道、以下TCC)、3Hクリニカルトライアル株式会社 (東京都豊島区、代表取締役 滝澤 宏隆、以下3HCT)、3H CTS株式会社(東京都豊島区、代表取締役 高橋 良典、以下3H CTS)は、国内の臨床試験におけるデジタルツールの活用・導入に向け、有用性や実施可能性および導入課題に対する運用策の明確化を目的としたバーチャル臨床研究を開始致します。
昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により臨床試験の一時中断や開発の延期という事態が発生する中で、被験者の安全を確保した新しい臨床試験手法の導入が求められています。特に、被験者のリスクや負担を軽減しながら試験を実施する手段として、ビデオ通話によるオンライン診療やウェアラブルデバイスを活用した、被験者が通院をせずに進めていくバーチャル臨床試験への注目が高まっています。
数年前より、リアルワールドエビデンスの活用や医薬品の費用対効果、Patient Centricity、患者・市民参画(PPI)といった考え方へのシフトなど、医薬品開発を取り巻く環境は、大きな転換期を迎えておりました。バーチャル臨床試験は、このような考え方に即して考案された新たな臨床開発手法です。欧米ではバーチャル臨床試験の実現に向けた検証が日本に先行して始まっており、実用化に向けて様々な取り組みが実施されていますが、日本では実例が極めて少なく、臨床試験におけるデジタルツールの実装があまり進んできませんでした。しかし、COVID-19の感染拡大を受け、例えばオンライン診療ツールに関して、2020年5月26日にはPMDAからオンライン診療の臨床試験での活用にふれたQ&A*1 が発出されるなどの環境の変化を受けて、臨床試験の様々なプロセスの中でデジタルツールが浸透し、バーチャル臨床試験の試みが促進していくことが予想されます。
本臨床研究は、国内でのバーチャル臨床試験の本格導入に向けて、有用性や実施可能性および導入課題に対する運用策の明確化を目的として実施されます。日本で初めて訪問治験の治験責任医師を務めた東京センタークリニックの長嶋 浩貴 医師を研究責任医師におき、被験者が来院する「来院Visit」、と医療従事者が被験者の自宅に伺う「訪問Visit」、オンライン診療システムやウェアラブルデバイスを活用した「バーチャルVisit」を混合した、2型糖尿病を抱える患者の体調や状態変化を観察するハイブリット型の臨床研究となります。
バーチャル臨床試験は、実施機関は被験者リクルートの迅速化やリテンション向上、コスト削減や試験期間の短縮を実現できると同時に、被験者にとっても来院負担を最小限に留め、安心・安全に試験に参加することが可能な新しい手段です(*2)。また、実施側にもコスト削減、取得データ精度の向上などといったメリットがあると言われています。MICIN、TCC、3HCT、3H CTSは本研究を通して、バーチャル臨床試験の導入を支援し、今後の医薬品開発と日本の医療の発展に貢献して参ります。
■本臨床研究における各社の役割
・TCC:臨床研究センター長であり、日本で初めての訪問治験の治験責任医師を務めた長嶋 浩貴 医師を研究責任医師として、臨床研究を実施します。
・MICIN:オンライン診療サービスやデータ連携するウェアラブルデバイスを提供し、訪問・バーチャルVisitを支援します。
・3HCT:ウェアラブルデバイスの企画・導入・運用、ePRO「3H Pガーディアン」の提供、被験者リクルートメントを支援します。
・3HCTS:CRCを派遣し、ウェアラブルデバイスやePRO、訪問Visit対応を含めた被験者のサポートと医療施設支援を行います。
*1:新型コロナウイルス感染症の影響下での医薬品、医療機器及び再生医療等製品の治験実施に係るQ&Aについて(2020年5月26日更新)
*2:2019年2月22日 日本製薬工業協会 医薬産業政策研究所 杉浦 一輝
「医薬品評価委員会 臨床評価部会 総会“Virtual” Clinical Trial の動向-Web-based、Site-less による臨床研究-」
<本件に関する問い合わせ先>
株式会社MICIN(マイシン)
E-mail: vct@micin.jp