NEWS 最新情報

  • 2024.12.9臨床開発デジタルソリューション事業

    アムジェン・MICIN・静岡がんセンター、がんの企業治験でMICINの「MiROHA(ミロハ)eConsent」を使用開始 ―がん領域における分散型臨床試験(DCT)の推進を目的としてー

    logo_Amgen_Micin_SCC

    株式会社MICIN(本社:東京都千代田区、代表取締役:原聖吾、以下「MICIN」)、アムジェン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:スザナ・ムルテイラ、以下「アムジェン」)、および静岡県立静岡がんセンター(所在地:静岡県駿東郡長泉町、病院長:小野 裕之、以下「静岡がんセンター」)は、アムジェンが静岡がんセンターで実施するがんの企業治験において、分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trial: DCT)の推進を目的として、MICINが提供するDCTプラットフォーム「MiROHA(ミロハ)」の使用を開始しました。

    2023年3月に策定された第4期がん対策推進基本計画には、「誰一人取り残さないがん対策の推進」が全体目標として掲げられています1。DCTは、治験の対象となる患者さんが治験実施医療機関の遠方にお住まいの場合でも、臨床試験に参加できる可能性を高めるために、ますます重要になっています。

    この度、静岡がんセンターは、アムジェンが実施するがんの企業治験で、MICINが提供するDCTプラットフォーム「MiROHA」の「eConsent」(Electronic Informed Consent:電子的なツールを用いた臨床試験のインフォームド・コンセントの取得)を導入し、治験実施医療機関と患者さんの紹介元病院(パートナー医療機関)をオンラインで繋ぐ取り組みが実現しました。

    今回、静岡がんセンターにおいて「MiROHA」を使用する臨床試験は、未治療の進行がんに対する治験であり、発現頻度が低いバイオマーカーを対象としているため、患者数が少なく、スクリーニングでの脱落率も高いことが予想されています。従って、本治験を迅速に実施し、新しい治療を一日でも早く患者さんにお届けするためには、治験に参加する可能性のあるより多くの患者さんからインフォームド・コンセントを取得し、治験への組み入れを促進する必要があります。

    本治験では、パートナー医療機関に通院している患者さんに「eConsent」を用いて治験の情報を提供すると共に、インフォームド・コンセントを遠隔で実施します。患者さんは治験実施医療機関を直接受診することなく、紹介元のパートナー医療機関にいながら治験の説明を受けることができます。バイオマーカー陽性となった患者さんには、治験に参加いただくため、治験実施医療機関を受診していただきます。治験に参加する可能性のある患者さんの安全性を確保しながら、より多くの患者さんに治験参加の機会を提供するとともに、治験の組み入れ促進につながることが期待されます。

    静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 医長 川上 武志先生は次のように述べています。「第4期がん対策推進基本計画の全体目標に『誰一人取り残さないがん対策の推進』が掲げられています。近年、特定のバイオマーカーを標的とした有望な抗がん薬の治験が増えていますが、静岡県内での治験実施医療機関は限られています。静岡がんセンターでは多くの治験を実施していますが、静岡県は東西に長く、西部・中部在住の患者さんには、治験の情報が届きにくく、当院への移動距離・時間、交通費などの障壁があり、治験へのアクセスが難しいのが現状です。最近では遠隔診療の普及に伴い、治験の説明・同意を遠隔診療で行う『eConsent』、あるいは、治験そのものを全て遠隔診療で実施するオンライン治験など、DCTを導入する施設が出てきています。『eConsent』を用いた遠隔診療で治験を実施することで、バイオマーカー発現の有無を当院に来院することなく検査可能となり、治験参加のハードルを下げることが期待されます。DCTプラットフォーム『MiROHA』を導入し、パートナー医療機関のご協力のもと、これまで治験の情報が届かなかった患者さんや遠方という理由で治験参加を諦めていた患者さんに、治験参加の機会を提供できることを期待しています。」

    株式会社MICIN 代表取締役 原 聖吾は以下のように述べています。「パートナー医療機関を活用した本試験の取り組みが、がん患者さんへの治験参加機会提供に寄与することを期待しています。豊富な治験実績を有する静岡がんセンターと、患者さんに対し革新的な医薬品の早期提供、治験機会提供のためDCTに積極的に取り組むアムジェンとともに、DCTのリーディング企業として、新しい治験の在り方に貢献できるよう努めて参ります。」

    アムジェン株式会社 執行役員 医薬開発本部長 下永 応博氏は次のように述べています。「アムジェンR&Dの存在意義は、すべての患者さんに治療選択肢を提供することです。開発スピードを加速して弊社の革新的な医薬品を早期にお届けすることはもちろん、一人でも多くの方に治験の機会を提供することも一つの取り組みと考えています。そのため、医薬品開発におけるDXの中でも治験実施医療機関に来訪することが難しい患者さんの治験アクセスが劇的に改善する方法であるDCTに積極的に取り組んでいます。今回、都道府県がん診療連携拠点病院である静岡がんセンターで『eConsent』を導入いただくことで、今後のDCTの実現可能性を示すとともに、患者さんの治験へのアクセス向上と負担軽減に寄与することを期待しています。」


    分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trial:DCT)について
    DCTとは、オンライン診療や訪問看護、スマートフォンやウェアラブル端末を活用することで、患者さんの医療機関への来院に依存することなく遠隔で実施される臨床試験のことです。DCTの実現によって、患者さんの健康状態や医療機関との物理的な距離などによる来院負担が軽減され、患者さんの臨床試験への参加が容易になることで、治験への組み入れ促進や、試験コストの減少、試験期間の短縮などに寄与することが期待されています。

    DCTプラットフォーム「MiROHA(ミロハ)」について
    MICINが提供するDCTプラットフォームである「MiROHA」は、オンライン診療機能、eConsent機能、およびeSource(Electronic Source Data:臨床試験の原資料となり得る電子原データ)機能を搭載したDCTプラットフォームとして、2020年4月より提供を開始しています。現在、既に国内200以上の医療機関で4,000症例を越える患者さんに利用されています。
    これまで、多くの製薬企業に採用された実績とノウハウをもとに、DCT領域のリーディングカンパニーとして、DCTソリューションの提供だけでなく、新しくDCTに取り組まれる企業への導入支援やコンサルテーションも積極的に行っています。
    MiROHA ホームページ:https://www.miroha.co/

GO TO INDEX GO TO INDEX GO TO INDEX