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  • 2021.7.20事例紹介

    MiROHAによるDCTの国内実績を紹介

    新型コロナウイルス感染症の世界的な流行から一年が過ぎ、医療を取り巻く情勢が大きく変わりつつある中で、臨床試験の領域ではより一層de-centralized clinical trials(以下、DCT)に注目が集まっています。MICINは、国内初のDCTシステムである「MiROHA®︎」の提供とDCT支援をこれまで進めてきました。国内では導入事例が少ないことが一つの課題であるDCTですが、普及への参考にしていただきたく、MiROHAシステムを用いたDCTへの具体的な取り組み実績の一部をご紹介します。

    DCTの実現には、オンライン診療、eSource、遠隔同意、訪問看護及び治験薬配送など、様々な領域の遠隔スキームの構築が必要となります。MiROHAでは現在、そのうちのオンライン診療、eSource及び遠隔同意について支援可能な機能を有しており、複数の試験で導入をいただきました。実際にどのような試験で活用されたのか、ご紹介いたします。


    <オンライン診療>
    新型コロナウイルスの流行により、治験におけるオンライン診療の活用がこれまでと比較して大きく進んでおり、海外では約45%の治験実施施設で対面visitを遠隔に切り替えたとの報告もあります。(*注1)治験におけるオンライン診療の導入は、被験者の安全性確認をより柔軟に行えるようになり、詳細な被験者の情報把握、中央評価による客観的な重症度評価、高い治験継続率の維持などの効果が期待されています。MiROHAのオンライン診療機能は、これまで治験薬投与期などにおける安全性フォローアップ、主観的指標の中央評価化などに導入されてきました。

    まず、安全性フォローアップについては、治験及び臨床研究において、オンコロジー領域やその他領域で採用されています。オンライン診療単体での採用や、訪問看護との組み合わせなど種々のユースケースでご検討いただいており、オンライン診療による柔軟な診察により、適切な頻度での安全性評価を可能とすることや、より詳細な安全性情報の取得が期待されています。

    また、中央評価での活用については、ある主観的評価指標について、遠隔による評価のバリデーション研究に参画しています。評価の均一化に課題がある主観的評価指標について、オンライン診療機能を用いての遠隔での実施及び中央化をすることにより、評価者間バイアスを低減し、適切な有効性評価を実現するための検証を開始しています。


    <eSource>
    世界的に医薬品研究開発の生産性は低迷状態で、特に開発費は年々増加傾向にあります。特に、CRO業界の市場規模1,862億円のうち、モニタリングにかかる人件費は約60%を占めており、増加傾向にあります。(*注2)この課題に対して、MiROHA eSource機能を用いて、モニタリングにかかるCRAやDMの業務負担を効率化し、開発費を削減することが期待されています。
    現在、治験におけるeSourceの活用に向けて効果定量の検証を行なっており、eSourceを活用した際のモニタリング業務削減などに関する定量的・定性的な導入効果の検証を進めています。また、実際の治験における導入についても準備が進んでいます。


    <遠隔同意>
    従来の治験では、対面での同意説明・取得であるため、通院することによる被験者の費用、身体的、時間拘束等の負担が存在し、場合によってはその負担がネックとなり被験者リクルートに課題が生じています。
    MiROHAは、この説明同意プロセスの遠隔化に対しての活用も期待されており、一例として、オンコロジー領域におけるプレスクリーニング検査のための同意プロセスについてMiROHAのビデオ通話機能を活用した遠隔化を実現しています。同意プロセスを遠隔化することにより、候補被験者の間口を広げ、症例集積の加速及び登録期間の短縮が期待されており、治験における大きな課題の一つである被験者リクルート期間の解決の糸口にもなり得ると考えています。


    様々な製薬企業や医療機関の皆様にご協力、ご支援をいただき、DCTの推進に向けてMiROHAはこの一年間歩んでくることができました。今後も、MICINはMiROHAを活用した様々な臨床開発のあり方を提案・実装していくことで、患者様中心となる臨床開発を実現すべく、邁進してまいります。



    *注1)1. Medidata Solutions, Inc., a Dassault Systèmes company, “The Impact of COVID-19 on Clinical Trial Sites”内で「Switching patient visits to virtual / telemedicine」に「Has already done it for impacted trials」と答えた割合
    *注2)JCROA, 「2019年度年次報告書」


    【お問い合わせ先】
    株式会社MICIN(マイシン)
    E-mail: vct@micin.jp

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