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  • 2020.12.22セミナー

    「第17回DIA日本年会2020」でバーチャル治験の国内導入に向けたパネルディスカッションを実施

    医薬品、医療機器、再生医療製品等に関わる専門家向けの会合「DIA日本年会2020」において、当社SVPの草間がセミナー登壇し、バーチャル臨床試験の現状や導入事例の紹介を行うとともに、東京センタークリニックの長嶋医師、メディデータ・ソリューションズ株式会社の稲留氏をお招きし、バーチャル治験の国内導入に向けた課題やアクションについてディスカッションを行いました。

    本セミナーでは前半で、海外の治験におけるオンライン診療の広がりと日本の現状、当社のバーチャル臨床試験システム「MiROHA」の導入事例の具体的な紹介を行い、後半で長嶋医師、稲留氏を交えたパネルディスカッションを行いました。

    当日のオンラインセミナーの出席者は150名を超え、登壇者に対してリアルタイムで質問を頂戴するなど、活発なパネルディスカッションとなりました。

    <セミナーアジェンダ>
    1. COVID-19による他国における治験へのオンライン診療の広がり(MICIN 草間亮一)
    2. 臨床試験向けオンライン診療「MiROHA」のご紹介(MICIN 草間亮一)
    3. パネルディスカッション
      東京センタークリニック 臨床研究センター長 長嶋浩貴 医師
      メディデータ・ソリューションズ株式会社  稲留 由美 氏
      株式会社MICIN SVP  草間亮一

    <セミナーレポート>
    1. COVID-19による他国における治験へのオンライン診療の広がり
    海外では治験実施施設で働く医療関係者のうち約45%が、被験者の対面visitを遠隔に切り替えた経験があるという事例*1や、米国立がん研究センターに指定されたがんセンターであるDFCI(Dana-Farber Cancer Institute)では2020年3月~5月にかけて、治験遠隔化の手段としてオンライン診療を平均週100件以上利用し、治験薬の配送を平均週80件以上行われたという事例*2を紹介しました。

    *1:Medidata Solutions, Inc., a Dassault Systèmes company, “The Impact of COVID-19 on Clinical Trial Sites”内で「Switching patient visits to virtual / telemedicine」に「Has already done it for impacted trials」と答えた割合
    *2:Sara M. Tolaney, “The Impact of COVID-19 on Clinical Trial Execution at the Dana-Farber Cancer Institute”

    2. 臨床試験向けオンライン診療「MiROHA」のご紹介
    一方、日本の臨床試験におけるオンライン診療については、PMDAが「新型コロナウイルス感染症の影響下での医薬品、医療機器および再生医療等製品の治験実施に係るQ&Aについて」を本年5月に更新し、PMDAに寄せられた問い合わせに回答する形で、「治験において適切に行われるオンライン診療については、実施して差し支えない。」と対応策を示しました。
    当社が提供する臨床試験向けオンライン診療「MiROHA」は、安全性や有効性評価、症例登録の点で効果が期待できるものですが、実際にどのようなケースがあるのか具体的な事例を4つ紹介いたしました。
    治験における「説明同意」、「AEフォロー」、「中央評価」、「ウェアラブルデバイス活用」の4シーンにおいて、各ユースケースでそれぞれ親和性の高い疾患領域があり、活用による効果が見込まれることを示しました。

    DIA記事差込図_余白あり

    3. パネルディスカッション
    後半は、東京センタークリニック 臨床研究センター長 長嶋浩貴先生、メディデータ・ソリューションズ株式会社 稲留 由美氏を交えて、3名でCOVID-19下による治験の運用状況やバーチャル治験の今後の可能性などについて、セミナー参加者からもご質問を頂き、その解答も合わせ活発なディスカッションが行われました。

    <ディスカッションの一部ご紹介>
    ●COVID-19下の治験の様子、グローバルとの比較について、長嶋先生はクリニック閉鎖時も電話で治験診療を継続していたこと、稲留氏から、海外・日本ともに症例の組み入れ数はCOVID-19下で落ち込んでいるが、日本は6-8月に回復傾向にあり、日本の医療施設の頑張りがみられたという紹介がありました。

    ●長嶋先生から、電話診療とオンライン診療の違いは、ウェアラブル端末の情報など被験者のリモートデータを取得でき、それを見ながら治験診療ができるという点が有益であり、有害事象フォローの点でも同様であるとのご意見を頂き、電話を使ったフォローの差分としてオンラインでできることが増えるのか、という観点で治験におけるオンライン診療の活用を考えているという示唆を頂きました。

    ●稲留氏から、バーチャル治験の新規導入においては医療サイドのトレーニングが大切であり、医療機関へのエデュケーションを担うCROとシステムサイドの連携が大切であるとの意見を頂戴しました。
    また、eConsentの導入については今後のパンデミックに備え、来院によらない治験遂行を最初からプロトコールに含めておきたいという流れが加速するととらえているというお話から、BCPの観点からも今後感染症のアウトブレイクは危惧すべき事柄の一つに入ってくるというディスカッションとなりました。

    ●最後に、治験のバーチャル化がどのような観点で進んでいきそうかという話題では、稲留氏から、患者さんにとって参加しやすい治験であるという視点が今後求められるという意見がありました。長嶋先生からも、Patient Centricityという考え方は重要であり、テクノロジーを上手く使って患者インサイトを取得し活用していくことが出来たら、との期待のコメントをいただきました。
    患者視点を大前提としながら、患者、依頼者、医療施設の三方が価値を感じる治験システムを作っていくことが大切であるというディスカッションにてセミナーは終了となりました。

    MICINは今後も、実臨床で培ったオンライン診療サービスのノウハウを活かし、バーチャル治験の国内導入に向けた取り組みを進めて参ります。


    【サービス内容のお問い合わせ先】
    株式会社MICIN(マイシン)
    E-mail: vct@micin.jp

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