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  • 2024.2.20オンライン医療事業

    児童の注意欠如多動症(ADHD)評価はオンライン診療で実施可能 -ADHDの遠隔評価の高い信頼性を検証-

    慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座の岸本泰士郎特任教授と同精神・神経科学教室の黒川駿哉特任助教を中心とする研究チームは、神経発達症児とその養育者に対するAttention-Deficit Hyperactivity Disorder Rating Scale-IV(ADHD-RS-IV)のオンライン診療を用いた遠隔評価の信頼性を検証しました。
    本研究では、注意欠如多動症(ADHD)および自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けた6~17歳の74人の日本人の児童思春期患児とその養育者を対象に、ADHD-RS-IVによる対面評価と遠隔評価の一致度を検討しました。結果、全体では級内相関係数(ICC;注1)が0.769、特にADHDを主診断とする患児においては0.816であるなど、オンライン診療を活用した遠隔評価が対面評価による結果と高い精度で一致することを示しました。

    文部科学省の調査で、ADHD、ASDを含む神経発達症の可能性がある小中学生は8.8%に上ると報告される(参考資料1)など、早期診断、支援や治療を含む対策は非常に大きな社会課題になっています。一方、診断や専門的治療にあたる児童精神科医は日本全体で著しく不足しており、初診までの待機期間は平均2.6カ月かかるとされています。地域によっては専門医がいないところもあります。オンライン診療の普及は、受診までの待機期間の短縮や通院や待ち時間にかかる時間節約、養育者への負担軽減など、その利点は計り知れません。

    本研究成果は、2024年2月19日(米国東部標準時)にJournal of Medical Internet Researchにて公開されました。

    なお、本研究に用いられたオンライン診療システムはMICINが提供するcuron(クロン)が用いられました。

    プレスリリース全文は以下をご覧ください。

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