デジタルセラピューティクス事業

手術患者の退院後予後管理の向上に関する研究

東京ベイ・浦安市川医療センター、オムロン ヘルスケア株式会社と共同で、MICINが開発中の「手術患者の退院後フォローアップアプリ」を活用し、心臓外科手術後の患者の退院後予後管理の改善を目的とした実証研究に取り組んでいます。

早期退院が可能になったことによる術後フォローの必要性

心臓血管外科手術時は、MICS(*1)やTAVI(*2)という手術方式がしばしば用いられます。本術式は開胸する手術方式と比べると傷は小さく、痛みや出血も少なく抑えられるため、比較的手術後早期のタイミングで退院、社会復帰が可能です。

他方で、病院で医療従事者からのケアを受けられる期間も短いため、患者の中には不安を抱えながら日常生活を過ごす方もいらっしゃる実情があります(*3)。医療従事者にとっても、術後限られた期間で管理を行うこと、外来の短い時間の中で患者の状態を把握することは容易ではなく、様々な工夫が必要となります。

アプリを通じてPHRを医療機関と共有

本研究は、退院後、オムロンヘルスケアの通信機能付き健康機器により収集した血圧・体重・活動量のデータと、アプリに搭載されている問診機能から、傷口の状態・体調・気分・食事状況・服薬状況等のデータを収集します。アプリを通じてこれらの患者のPHR(*4)を医療機関(東京ベイ・浦安市川医療センター)と情報共有し、外来診察時に主治医が活用します。

健康機器から取得できるバイタルデータのほか、患者の状態や心理的な変化もアプリ上で取得することで、より質の高い効率的な予後管理を、日常の在宅環境でも実現することが可能かを検証します。

本アプリを術後患者が利用することで、自宅で日常を過ごしながらも、主治医と自身の健康状態を共有することができ、その状態に基づく診察を受けることが可能となります。主治医側が患者の状態変化に早期にきづくことができ、患者側も在宅環境でも主治医との連携が深まることで安心感が高まり、手術後のQOL(quality of life)向上に繋がることが期待されます。

*1:Minimally Invasive Cardiac Surgery、低侵襲心臓手術
*2:Transcatheter Aortic Valve Implantation、経カテーテル大動脈弁植え込み術
*3:BMC Surg. 2016; 16: 5.
*4:Personal Health Record、患者が自らの医療・健康情報を収集し一元的に保存するしくみ